2004年03月24日

経営戦略の発想法

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書かれている内容に関して異論は少ない。

・エコノミストが実態の経済、もしくはその経済を支える経営に対して余りにも無知であること。

・理論経済学が社会科学あらんとするために「独り歩き」している面があること。
(経済学部出身だけに、よ~く分かります。私はこれで理論経済学に対して食わず嫌いになりました)

・ビジネスモデルで経営が成り立つほど経営の現実は甘くないということ。
(「SkillよりWill」という表現が象徴的)

・ビジネスモデル、いや経営学そのものの多くが「後知恵」であり、実際の経営においては無力である事。
(ヒアリングした10人の経営者の言葉は何れも一言一言に非常に重みがある。それに対し、経営学者と言えば・・・。)

・経営において必要な力は知力よりもむしろ、人間力、行動力、といった泥臭い部分にあること。
(組織・人を動かす難しさについても触れられている)

・今後、日本経済を活性化するために必要な事は、現場を全く理解していない者(政治家、エコノミスト、学者)が提言している経済政策などではなく、個々人の目的意識の変革(芽生えか?)などから生まれるボトムアップ(自立的、市場的と言っても良いかな?)な社会変化であること。
(高橋俊介さんばりのキャリア論も少し出てくる)


ただしである。
はたして一体これは誰に対して書かれたものなのか?

経営者・・・、ではない。
なぜなら、経営の意思決定を行う立場にある人はその企業の大小問わず書かれているような内容については既に体現しているからである。
(大企業の雇われ経営者は一部例外もあるかもしれないが)

では、今後日本を支えるかも知れない若き起業家予備軍か?
だとすると、経営実学に関する内容が乏しいし、啓蒙(起業のきっかけ作り)するにも弱い。

となると・・・?

1)筆者の個人的な考え・思いに対するまとめ
2)書店に並んでいるエコノミスト批判している新書に登場する面々とは全く異なる立場にある、同列に扱わないでくれ!という強いメッセージの伝達と自己証明。

なわけないよなぁ・・・。

少なくとも、「そうそう」なんて頷き理解しつつ結局何も行動しない人のバイブルにだけはなっては欲しくない。
(これは自分への戒めでもある)

Posted by Ozaking at 2004年03月24日 23:58
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