Ozakism

危機感が欠如していないか？

　この写真、爽やかすぎではないかい？

最近、雑誌では日経ヘルスに注目してます。

体内の「有害金属」を出すと、
　体脂肪が良く燃える！！
　　解毒 ダイエット

ホンマかいな？？？

ダイエット関連の構図を簡単にまとめると、次のような感じになる。
・リスク　：　糖尿病、高血圧、高脂血症、などの生活習慣病
・現象　：　肥満、肌荒れ、冷え、肩こり
・原因　：　体脂肪の蓄積、便秘
・対処法　：　体脂肪の燃焼効率UP、基礎代謝量UP、食習慣改善、ストレス発散、などなど

で、「解毒 ダイエット」は新たな原因＝有害金属にフォーカスし、これまでとは異なる対処法を
世に問うている。
そろそろネタが尽きてきたので新たな視点を加え幅を広げたということであろうか？

　
　
　
有害金属とは、水銀、鉛、カドミウム、アルミニウム、ヒ素、などである。
日常生活では殆ど意識することがないものの、有害金属汚染は実は今でも起こっている問題である。
水俣病・新潟水俣病（メチル水銀）、イタイイタイ病（カドミウム）は誰もが小学校で習っている。
ただ、残念なことにこれら有害金属汚染問題は教科書と法廷のみでしか語られなくなっている。
有害金属汚染の現状とリスクを再確認する、という意味において日経ヘルス3月号は価値あるものだなぁ
と思う一方で、これが一過性のブームで終わらなければ良いなぁとも思う。

一例として有機(メチル)水銀の汚染問題を見てみる。

まず、水銀が人体に及ぼす影響についてはここが詳しい。
神経系、循環器系、子どもの発達への影響、生殖能力、発癌性について指摘されている。

次に、世界の水銀汚染状況については少し古いがここが詳しい。
特に注目すべきは「公害輸出と南北問題」の項目。
今も実際起きている問題にも関わらず、普段人目に触れない理由の一つはここにある。
環境基準のゆるい発展途上国で汚染が広がっている。
無論、中国もご多分に漏れず酷い。

最後に、日本は大丈夫かというと当然そんなことはない。
魚を例にすると、食物連鎖によって濃度が高くなる。
そして、回遊魚は国境を越えて移動を繰り返す。
さらに、築地では世界中から取り寄せられた魚が取引されている。

2003年に厚生労働省は妊婦向けにこのような警告を出している。
これを見た殆どの方は「自分には関係ないな」と思うのではないか。
バンドウイルカ、ツチクジラ、コビレゴンドウ、マッコウクジラ及びサメ・・・
これらを頻繁に口にしている人って誰だ？
ようやく最後にメカジキ及びキンメダイといった名前を知っている魚が出てくるが、これも定期的に
週2回以上食べている人は少ないであろう。

しかし同時に発表されたこちらにも目を通して欲しい。
ここにはイルカ、鯨、鮫ではなく、普段馴染みのある魚が沢山出てくる。
注目すべきは「問14 3 水銀の推定摂取量」。
灰色の部分は１日の耐容摂取量を超えているところである。
インドマグロ、クロマグロ、メバチマグロ・・・

マグロに含まれるメチル水銀濃度は非常に高い。
厚生労働省はイルカを食べるな！と警告する前にマグロについてコメントすべきでは？
なお、米国では2004年3月にFDA（米国食品医薬品局）及びEPA（米国環境保護庁）が妊婦の
ビンナガマグロ（ホワイトツナ）摂取量に関して勧告を公表している。

高いお金を払って寿司を食べ、気づかぬうちに水銀を摂取しているのであるから、
日本だけ安全とは決して言えない。
　
　
その他の有害金属も同様で、目に見えないだけで問題は深刻である可能性が高い。
情報化と叫ばれて久しいが、このような汚染問題ももう少しクローズアップされて良いように思う。